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子猫の決意

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偶然なのかもしれません。
運命なのかもしれません。
どちらかは、小さな僕には解りません。

でも、嬉しいことには違いありません。
色々な偶然が積み重なってか
大きな流れる運命に導かれてか
にーちゃんとまた出会うことが出来ました。

もちろん、嬉しかったです。
飛び上がって喜びました。かーちゃんも笑ってました。
今では、美神のおばさんとも仲良しです。
面と向かって言うと、鬼のような顔になるので
ここにこっそり書いておきます。おばさんと言っちゃ駄目なのです。
ねーちゃんも二人出来ました。
今では同じ部屋で暮らしてます。
家族が増えて、僕は毎日が楽しいです。










でも一つ、気付いてしまった事があります。










にーちゃんは弱いです。


最近になって、そのことを痛感してます。
助けてくれた時は解らなかったけど
いつもの生活風景をみて痛感しました。
にーちゃんは弱いです。たぶん間違いありません。
ひょっとしたら、かーちゃんより弱いかもしれません。







にーちゃんは弱いです。



美神のおばさんには謝ってばかりです。
おキヌちゃんにも立つ背がありません。
シロねーちゃんには何時も振り回されっぱなしです。
タマモねーちゃんに至っては、軽視を通り越して軽蔑まで抱いてるかもしれません。

そして、そういう態度が仕方ないと思えてしまうくらい
いつものにーちゃんは弱くて情けないです。

美神のおばさんのお風呂を覗いたり
おキヌちゃんとの約束を忘れてたり
シロねーちゃんには振り回されたり
タマモねーちゃんには馬鹿にされたり








にーちゃんは弱いです。

昔は除霊中でも、よく泣いたり叫んだりしてたそーです。
今ではマシになったと言われましたが、
それでも時々おっかなびっくりでお仕事に出かけてます。
腰が引けてて、見た感じでも情けないです。
仕方ないんやー、と喚く様子は
子供から見ても駄目駄目だと思います。









にーちゃんは弱いです。




でも、僕等を守ろうとしてくれました。
しっかり、僕等を守ってくれました。
いつもは情けないのに、
僕が怪我をしそうになったら
助けてくれるんです。

よく見ると、にーちゃんは怪我だらけです。
にーちゃんの体は傷で一杯です。

今よりも情けなかったらしい昔の出来事
ずっとずっと怖かった筈なのに
ずっとずっと弱かった筈なのに
なのに、僕等を守ってくれました。








にーちゃんは弱いです



だから、僕がにーちゃんを守ります

僕も同じかそれ以上に弱いけど

弱さよりも、優しさの方がずっと大きなにーちゃんが

もう傷つかなくていいように

もう傷ついたりしないように

そのために、僕は強くなります



【ケイの日記より 抜粋】