肉
肉、肉、肉、肉、肉
私は肉が好きだ
私は肉が好きだ
私は肉が大好きだ
目の前に鎮座してあらせられる肉から目を離す事が出来ない
いや、目を離そうと考える事
それすら、肉に対する冒涜である
私の目は光を発さんばかりに、爛々と輝いていることだろう
穴があくのではないかと不安にさえ思う
唾液が、口腔にあふれんばかり
鼻息も、荒くなる事を止められやしない
鼓動は、嫌がおうにも高まり
それらを自覚する事で、さらに己の興奮を深めてゆく
今にも飛び掛りそうな自分を必死で抑える
すぐにでもむしゃぶりつきたいという欲望を全力で制する
空腹は生きるための警告に過ぎない
意志を伴った我慢こそが、最高の調味料となり得る
肉のことで埋め尽くされた脳内
ソレを現実と重ねあわせるために
魔法の言葉を今こそ放とう
両の手の平を合わせ、
期待に胸のみならず全身を震わせ、
よだれが垂れないように気をつけながら
「いっただっきまーす、でござる♪」
「待たんかコラーーーーーーーーーーーッ!!!!!」
縄で縛られ、トランクスだけの姿となった肉
・・・・・・横島忠夫が布団に寝転ばされたままに、絶叫を上げた。