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ビカラ

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私は人間じゃあない
そしてアイツは人間

初めて会った時、私はアイツを食べようとした
何の警戒もせずに跳んできたから

でも、アイツを食べる事はできなかった
もし食べてしまってたら、そう考えると少し怖くなる



今じゃあそんな気はない
アイツは敵じゃないから

時々だけどアイツに会える事がある
その時には、実は今でもたまに噛み付いてる

嫌いだからじゃない
好きだから

人間だって言う
「食べたいほどに愛してる」って

勿論、本当に食べたりなんてしない
そんなことをしたら、アイツがいなくなってしまう
アイツがいない世界は寂しい



傷つけたいわけじゃない
ただ、私を気にして欲しいだけ
これは私に出来る唯一の愛情表現



アイツは人間で
私は人間じゃない

だから、簡単には想いを伝えられない
だけど、ずっと傍にいたい



私には、守りたいモノがある
守らなきゃいけないモノがある
私にとって子供みたいなモノ

アイツと一緒に守りつづける
それが私の夢
いつかその時が来る事を願う






言葉では伝えられない想い

それを伝える為に

今日も私は愛情表現を続ける








「ぎゃーーーーーーーっ!!」

「あ~~~、駄目よ~~ビカラちゃん~~、横島君食べちゃ~~~」