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告白

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ある日、ふと考えた
きっかけは何だったんだろう?

出会った瞬間?
それはありえない
出会いはほぼ最悪といえるものだった
ほぼ初対面にもかかわらず、いきなり飛び掛ってくる少年
その姿に惚れるのは特殊な趣味を持つ人だけだろう
私は普通だ、一目惚れというセンはない

なら、GS試験?
確かに、彼は頑張った
普段の彼からすれば、信じられないほどの意地を見せた
だが、軽犯罪法に抵触しまくりの頑張り方はどうかと思う

では、香港の一件?
最後の最後まで彼は逃げようとはしなかった
霊力も成長した
しかし、途中で見捨てて逃げる事を考えてもいた

いやいや、普段の仕事振りはどうか?
出会った時とは比べ物にならないほどに成長している
知識量も大分増えた
だけど詰めは甘く、無駄に怪我をする事が多い



ふう
思わずため息が出た
彼との出会いから現在に至るまでを思い返してみた
しかし、ついつい悪い所が気になってしまう
本当にどこがいいのか自分でも理解に苦しむ


女にからきし弱くて
暴力沙汰はまるで駄目で、
大抵の場合で情けなくて、
諦めが無茶苦茶に早くて

自分より弱い相手には無条件で優しくて
戦うことを決めたら相手が誰でも退かなくて
哀しい時も苦しい時も笑ってて
どんなに絶望的な状態でも自分が動ける限り絶対に諦めない


ふう
再びため息
改めて思い知る
格好悪い所も
たまに格好いい所も
全部含めて、私は彼が好きなのだ


ずっと考えている
どうすれば、彼の近くにいられるのか、ということを


彼はきっと勘違いをしている
私があの人を好きなのだという勘違いを
私のあの人への思いは憧憬と尊敬
一人でいる事に耐えられない私には、独立して生きているあの人がまぶしく映る
私は子供なんだろう
だから、大人であるあの人が羨ましかった
私は大人になりたかった
そうすれば、寂しさを感じなくなると思っていた


ふう
三度目のため息
彼のことをどうこう言えない
自分だって充分に情けない
そういえば、ため息をつけば幸せが逃げるとは誰が言ったのだったか
逃げるのなら逃げればいい
どこまで逃げようと絶対に捕まえてやる
情けない自分のままではいたくない
私は動き始める
自分のために
彼のそばにいるために


まずあの人に打ち明けよう
彼へと抱くこの想いを
何と言われるかはわからない
応援してくれるとは思わない
上手く伝えられないかもしれない
ひょっとしたら責められるかもしれない
それはとても怖い事だ
でも
それでも私は告白する
今まで、あの人抱いていた憧れにけじめをつけるために
そして、誰よりも彼が好きだという事を示すために


そう、私は決意した。










某日、美神事務所にて
「令子ちゃ~~~ん、横島君ちょうだい~~」