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サンチラ

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刻まれた痕が疼く
心を抉られた傷が



日常の会話の中で
ふと、口をついた言葉

何気ない言葉
悪気の無い言葉
笑いの混じる言葉

けれど
配慮もまた、其処には無かった

何も考えてはいないから
心のまま言葉を放つから

それゆえに
私の心は深く、深く穿たれた



ソレは真実
ソレは事実

気付いてはいた
自分のことなのだから

目を逸らしていた
認めたくなくて

それゆえにこそ
聞かされたく無かった
誰よりも、あなたからは





嘘のつけない
ついてもすぐに分ってしまう
正直すぎる、あなたからは

聞かされたく、なかった





あなたの謝罪は
私をより傷つける

けれど、それにも気付かずに
あなたは謝り続けている
今も、ずっと
おそらくは、これからも

そのあなたらしい優しさが
今の私には、余りにも、痛すぎて






どうにも出来ない現実を憎みながら

変わらぬ己を歯痒く思い

涙が、一筋、流れた










「すまん!ほんっとーに悪かった!」

「横島君~、サンチラちゃんは蛇さんよ~
 電気ウナギさんじゃないわ~」